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こんにちはmioです。
この記事では、発達障害に併存する障害と二次障害について解説します。
発達障害に併存する障害
発達障害に併存して現れる障害は下記の通り。
- 発達性協調運動障害
- 吃音
- チック
- 場面緘黙(ばめんかんもく)
それぞれ解説します。
発達性協調運動障害
発達性協調運動障害は、別々の動作をひとつにまとめる協調的運動がぎこちなく、運動技能の発達が期待されるよりも著しく遅れる状態を指します。
この障害は、日常生活の基本的な活動において、手先の操作や足の動作、身体のバランス、空間認識などに影響を及ぼし、学業や社会生活に困難をもたらす可能性があります。
劣等感を抱きやすいため、本人が様々な成功体験ができるように活動を援助し、少しずつ身体の協調運動機能の向上を目指します。
吃音
吃音は、話すときに音や言葉が途切れたり繰り返されたりする発話障害です。
原因はまだはっきりと特定されておらず、遺伝的、神経的、環境的な要因が関与するのではないかとされています。
症状は下記の通り。
- 「わ、わ、わたし...」などの音や言葉の繰り返し(連発)
- 「ぼーーーくは...」などの音の引き伸ばし(伸発)
- 「.....お、おはよう」などの言葉が詰まって出にくい(難発)
上記の症状が挙げられます。
吃音の約8割近くは幼児期にその症状が見られ自然治癒しますが、残り2割は幼児期を過ぎても症状が続くと言われています。
また、幼児期(2歳〜5歳)に発症する吃音を発達性吃音といい、10代後半や成人後に外的または心理的要因で発症する吃音を獲得性吃音といいます。
治療方法は確立されていませんが、言語聴覚士(ST)がトレーニングプログラム等を実施します。
チック
チックは、本人の意思とは関係なく突然、身体が動いたり声が出たりすることが一定期間続きます。
学童期は時に、周囲からからかわれたり、傷付くことを言われてしまう場合もあります。
気を付けることは、下記の3つです。
- 周囲のからかいをすぐにやめさせる
- 時間がかかっても待つ
- 「落ち着いて」などの声掛けはしない
チックは無意識で出ているものなので、「落ち着いて」と言われても、本人が一番止まることを願っています。過半数以上は成人するまでに自然消失することが多いので、早くやめさせようと症状を指摘したり不安そうに接するとかえって症状を長引かせます。気長に待ちましょう。
症状が出る割合は小児の約1%と、珍しくはありません。主に自閉症やADHD、不安障害などの傾向がある子どもに合併しやすいと言われています。
原因ははっきりわかっていないですが、脳機能の発達の偏りでみられるもののようです。育て方や環境は直接の原因ではないことを知っておいてください。
一部のチックは難治化することもあります。
運動や音声の混在したチックが1年以上続く場合、Tourette(トゥーレット)症候群という重症チックの可能性があります。本人も疲れてしまうほどチック症状がある場合は早めに医療機関に相談してください。症状の程度によっては薬物療法が必要な場合もあります。
環境はチックの直接原因ではないですが、ストレスや不安が高い時期、すごく嫌な(あるいは楽しみでも)イベントの前後などで症状が出る傾向にあります。
チック症状が目立ってきたときは、何か嫌なことがあったのか、気になることはないかなどの話を聞き、気持ちの安定化を図ってあげてください。
場面緘黙(ばめんかんもく)
場面緘黙は、自分の意思と関係なく話せなくなる症状のことです。
人見知りや恥ずかしがり屋との違いは下記の通り。
- 特定の場面で話せないことが1ヶ月以上続いている
- リラックスできる場面でも話せないことが続いている
新しい環境に入って始めは、口数が少ないことはよくあることです。単に人見知りや恥ずかしがり屋では、環境に慣れて緊張がなくなれば話すことができます。
場面緘黙の子どもは、園や学校で問題行動がないため見過ごされやすく、支援を受けずに成長すると、症状改善の遅れだけでなく、うつや他の不安症状、不登校や人間不信などの二次的な問題が生じやすくなります。
これは、場面緘黙による否定的な経験が影響するためです。
また、話すことだけでなく、「かん動」といって動作が抑制される子どももいます。人前で食事することやトイレに行くこと、人前で動作することに、強い緊張や不安を感じる社交不安症をあわせもつと考えられています。
違和感を感じた場合はすぐ、専門家に相談しましょう。
効果的な治療方法は、下記の通りです。
- 安心できる環境づくり
- 行動療法的アプローチ
家庭での会話→友だち→学校と段階的にコミュニケーションの成功体験を積ませる、行動療法的アプローチが最も効果的な治療とされています。
二次障害
発達障害のある子が無理解、無対応や間違った対応にさらされ続けると、周囲とうまくいかない中で二次障害を発症することがあります。
二次障害といってもさまざまです。症状は下記の通り。
- うつ病
- 不安障害
- 強迫性障害
- 破壊的行動
- 反抗挑戦性障害
- 情緒不安定
- 不登校やひきこもり
- 意欲の低下
- 心身症
- 人間関係のトラブル
などが挙げられます。
二次障害を防ぐには、早期発見、周囲が発達障害の特性を理解し、それぞれの人に適した療育が重要です。生活での困りごとがあり、特性に気づいたら相談・受診のうえ、必要な支援・療育を受けましょう。
最後に
この記事は
- 発達障害をお持ちのお子様・その保護者様
- これから医療機関・連携機関の利用をご検討中の方
- 療育について勉強したい方
上記の方々へ向けて、お子様が社会に出るまでの一連の流れを分かりやすいよう、サイトマップにまとめています。